ポートフォリオとは、自分の実績やスキル、得意分野をクライアントに伝える「自己紹介+実績集」のようなものです。
Webライターを始めたばかりの場合、「実績がないのにポートフォリオに何を載せるの?」と不安に感じるかもしれませんが、大切なのは「今の自分ができること」を誠実に見せることです。
本記事ではWebライター初心者の方向けにポートフォリオの作り方をご紹介します。
実際に私がWebライター初心者時代にクライアントに提出していたポートフォリオの構成も載せていますので、ぜひ参考にしてください。
Webライター初心者がポートフォリオを作るメリット
Webライター初心者のポートフォリオは、クライアントに自分の実力を示す手段としてだけでなく、自分自身の強みを再認識するためのツールにもなります。
ここでは、Webライター初心者がポートフォリオを作ることで得られる2つの大きなメリットをご紹介します。
仕事のやりとりがスムーズになる
Webライター案件に応募する際、多くの場合でポートフォリオの提出が求められます。理由は、クライアントがライターの文章力や得意分野を判断するための要素のひとつだからです。
あらかじめポートフォリオを作成しておけば、急な募集にも迅速に対応できます。複数の案件に同時に応募する際にも、スムーズに使い回せるので、効率的な営業活動につながります。
自分の強みや方向性を再確認できる
ポートフォリオを作る過程で、自分の得意分野やアピールポイントを見直す機会が生まれます。
この自己理解が深まることで、案件選びの軸が明確になり、自分に合った仕事を見つけやすくなります。また、得意ジャンルに特化したポートフォリオを作れば、より専門性の高い案件にアプローチできるでしょう。
Webライター初心者のポートフォリオの基本構成

Webライター初心者のポートフォリオの基本構成は8つです。
ここでは、初心者時代の私が実際に作成していたポートフォリオをもとに、構成要素をわかりやすく紹介します。
1. 自己紹介・経歴
まずは簡単な挨拶と自己紹介、経歴を入れましょう。ここでは、あなたの人柄やライティングに対する姿勢が伝わるような文章を心がけると、クライアントの印象が良くなります。また、興味のある分野に触れておくと、その分野の案件に応募しやすくなるでしょう。
ポートフォリオをご覧いただきありがとうございます。Webライターのはると申します。
■経歴
・2016年 〇〇業界の企業に営業事務として勤務
・2020年 夫の転勤を機に前職を退職
・2021年~フリーランスWebライター
2021年4月からフリーランスのWebライターとして活動を開始しました。プライベートでは家計管理や投資に関心があり、日々情報収集をしています。
以下に対応が可能なジャンルや業務を記載いたしますので、ご覧いただけますと幸いです。
2. 対応可能ジャンル
対応が可能なジャンルを箇条書きで示すことで、クライアントが依頼内容をイメージしやすくなります。興味のある分野や、過去の経験から話せるテーマを優先的に記載しましょう。前職や趣味などを通じて、特定分野の専門知識がある場合は、そのジャンルの記載がおすすめです。子育てや家計管理といった日常的なテーマでも十分アピール材料になります。
■対応が可能なジャンル
・子育て
・家計管理
・投資(株式、投資信託)
3.対応可能な業務
対応できる業務を明記することで、クライアントとのスムーズなやりとりにつながります。Webライターは構成作成、執筆、画像作成、CMS入稿などを依頼されることが多いため、その中から記載しておくとよいでしょう。
■対応可能な業務
・構成作成
・執筆
・アイキャッチや図解の作成
・CMS入稿
4.保有資格・スキル
保有資格や記事制作に活かせるスキルがあれば、しっかりと明記しましょう。特にライティングスキルに関連する資格は、信頼度アップにつながります。
「Webライター検定3級」は合格率が5%以下と高難度な資格です。クラウドワークスで無料で受けられ、ライティングスキルの証明につながるため、気になるかたはぜひ挑戦してみてください。
■保有資格
・FP2級
・Webライター検定3級
5. 実績(サンプル記事)
記名記事や公開許可をもらえた記事、Google検索で上位表示されている自身のブログ記事などの、実績を載せると信頼性が上がります。
ただしWebライター初心者のうちは、まだ実績がない場合も多いでしょう。
そんなときは、自分の書きやすいジャンルで、サンプル記事を作成するのがおすすめです。「はじめての離乳食」「主婦におすすめの家計管理アプリ」など、日常に即したテーマを選ぶと執筆しやすくなります。
サンプル記事の作成は、Googleドキュメントやnoteなどを活用すると便利です。
■サンプル記事
以下にサンプル記事を共有させていただきます。構成から執筆、アイキャッチ画像まで作成しておりますので、ご覧いただけますと幸いです。
・想定キーワード:はじめて 離乳食
・想定読者:生後5ヶ月~6ヶ月の赤ちゃんを育てる母
・サンプル記事URL: ~
6. 使用可能ツール
使用できるツールを明記しておくと、クライアント側が作業環境を把握しやすくなります。
執筆ツールに加え、コミュニケーションツールも記載しましょう。ライティング以外にも業務を円滑に進めるツールが使えることをアピールできます。
■使用可能ツール
・Googleドキュメント/スプレッドシート
・MicrosoftWord/Excel/PowerPoint
・Canva
・Zoom/GoogleMeet
・ChatWork/Slack
7.稼働時間
稼働時間や連絡のとれる時間帯を明記します。特に子育てや副業などでフルタイム対応が難しい場合は、無理のない範囲で正直に書くことが信頼につながります。
私はWebライターを始めた当初、0歳の子どもを自宅で保育しながら仕事をしていたので、「平日の9:00~18:00」といった明確な稼働時間を記載できず、「週15時間稼働できます」という書き方にしていました。
■稼働時間
平日の9:00~18:00まで稼働しています。連絡は8:30~19:00までお返事が可能です。
■稼働時間
日中や夜間に作業をしており、1週間あたり最大15時間の稼働時間を確保できます。ご連絡は9:00~18:00まで、平日・土日祝日も対応が可能です。
8. お問い合わせ方法(またはクラウドソーシングURL)
最後に、お仕事の相談を受けるための連絡先を記載しましょう。
直接メールアドレスを載せるのが不安な方は、クラウドソーシングのプロフィールページやお問い合わせフォームを活用するのがおすすめです。
■お問い合わせ方法
ご興味を持っていただけましたら、以下のリンクからお問い合わせをお願いいたします。
(クラウドソーシングURLやGoogleフォームなど)
最後までお読みいただきありがとうございました。
Webライター初心者のポートフォリオで信頼されるポイント

ちょっとした工夫を加えるだけで、クライアントに「この人にお願いしてみようかな」と思ってもらえる可能性が高まります。ここでは、Webライター初心者でも信頼を得やすくなる3つのポイントを紹介します。
誤字脱字がない
ポートフォリオに誤字脱字があると、それだけで信頼感が大きく損なわれます。「細かいミスを見逃す人」「納品物にも同じようなミスがあるのでは?」という印象を与えてしまうからです。
文章を公開する前には必ず読み直し、可能であれば数時間~1日おいてから再確認しましょう。Wordの校閲[スペルチェックと文章校正]機能など、校正ツールを使うのもおすすめです。丁寧な見直しは、今後のWebライティングの仕事にも役立ちます。
読みやすい構成で書かれている
構成が整っていないポートフォリオは、読み手に負担をかけてしまいます。「読みにくい=クライアントが確認しづらい=依頼を避ける」原因にもなりかねません。
以下のようなポイントを意識しましょう。
- 見出しを使用する
- 内容にあわせて改行する(1段落は3〜5行が目安)
- 箇条書きや太字を活用して視認性を高める
こうした配慮があるだけで、「この人は読み手を意識できるライターだ」と信頼感が生まれます。
ポートフォリオの本文から誠実な姿勢が伝わる
初心者であっても、仕事に対する姿勢が伝わると、クライアントの印象は大きく変わります。たとえば、以下のような一文をポートフォリオや自己紹介文に入れてみましょう。
「ご依頼内容に応じて柔軟に対応いたしますので、お気軽にご相談ください。」
このような一言があるだけで、「協力的で対応しやすそう」という印象を与えられます。誠実な姿勢は、スキル以上に大切にされることもあります。
Webライター初心者のポートフォリオ作成におすすめのツール
初めてポートフォリオを作る場合は、使いやすく、手軽に始められるツールを選ぶことが大切です。ここでは、Webライター初心者におすすめのポートフォリオ作成ツールを4つご紹介します。
note
「note」は無料で使える文章投稿サービスで、初心者でも簡単にポートフォリオが作成できます。サンプル記事や自己紹介文を投稿し、「マガジン機能」を活用すれば、それらを1つにまとめて閲覧しやすく整理できます。
Webの知識がなくても手軽に始められるため、初めてのポートフォリオ作成に最適です。
Googleドキュメント
「Googleドキュメント」は、テキストベースでポートフォリオをまとめたい方におすすめのツールです。自己紹介、実績、サンプル記事などをひとつのドキュメントに整理して、リンクで容易に共有できます。
ライティング案件の納品形式として指定されることが多いGoogleドキュメントをポートフォリオに活用することで、クライアントへスキルを伝えられます。
Notion(ノーション)
「Notion」は、文章・表・画像・リンクなどを自由に組み合わせて1ページにまとめられるノートツールです。
Webライターのポートフォリオにも相性がよく、おしゃれで機能的なページを簡単に作成できます。ポートフォリオ用のテンプレートも豊富で、デザインに自信がなくても洗練された印象を与えられます。
WordPress
「ブログでもライター活動をしたい」「自分のサイトを持ちたい」という方には、「WordPress」がおすすめです。独自ドメインを取得し、ポートフォリオサイトとして運営すれば、クライアントからの信頼性もアップします。
やや初期設定に知識が必要ですが、今後ライターとして長く活動していきたい方には非常に価値のある選択肢です。
Webライター初心者のポートフォリオ作成時の注意点
ポートフォリオは、自分の実力や人柄を伝える大切なツールです。クライアントからの信頼を得るためにも、基本的なルールやマナーを把握しておきましょう。
ここでは、Webライター初心者がポートフォリオ作成時に気をつけるべき4つのポイントを解説します。
他人の文章をコピーしない
Web上にある記事をそのままコピーしてポートフォリオに掲載することは、絶対に避けましょう。たとえ一部であっても、他人の文章を流用することは信用を失う行為です。「著作権侵害」にあたる可能性もあり、法的な問題にも発展しかねません。
どうしても文章例を載せたい場合は、自分の言葉で書いたオリジナルのサンプル記事を掲載しましょう。引用を使う場合は出典を明記し、ルールを守ることが大切です。
誇張せず、等身大の自分を伝える
「まだ経験が少ないから不安」「実績がないと見てもらえないかも」と思って、スキルや経歴を誇張して書いてしまう方もいます。しかし、クライアントは誠実さを重視するため、背伸びをせず、今の自分の実力や目指している方向性を正直に書く方が好印象です。
たとえば「まだ実績は多くありませんが、読みやすさや情報の正確さにこだわって執筆しています」といった一文を加えることで、前向きな姿勢をアピールできます。
実績公開にはクライアントの許可をとる
納品した記事を実績としてポートフォリオに記載した場合は、必ずクライアントに許可をとりましょう。
クライアントや案件によって異なりますが、著作権などの規約が定められている場合があります。無断で実績として公開してしまうと、トラブルに発展することも考えられるため注意しなければなりません。許可をとるタイミングは納品後の取引終了前がおすすめです。
内容は定期的に見直し、更新する
一度作ったポートフォリオも、放置しておくと情報が古くなってしまいます。特に、以下のような情報は定期的に更新するようにしましょう。
- 新しい実績や執筆ジャンルの追加
- スキルや使用ツールの更新
- 稼働時間や連絡可能時間の変更
「この人は今もアクティブに活動しているんだな」と伝わることが、信頼感の向上につながります。
Webライター初心者も魅力的なポートフォリオを作ろう
ポートフォリオは、Webライター初心者が「自分を伝える名刺」のような存在です。実績がない状態でも、丁寧に作成されたポートフォリオは、信頼とチャンスを引き寄せる第一歩になります。まずは自分が書けそうなテーマでサンプル記事を1本書いてみることから始めてみましょう。
ポートフォリオは一度作って終わりではなく、少しずつ育てていくものです。焦らず、自分のペースで取り組んでみてください。
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